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2005年06月22日

よつばと!4巻にむけて。3巻の話。

私は基本的に制作裏話っぽい事は今まであまり書いていません。
なんというか、手品師がタネを明かすのは、それは手品を楽しんでもらう上でプラスになるのかなぁ、みたいな、ぬいぐるみの中に人なんかいねぇ!、みたいな感じで。そういった事を話すことに消極的なんです。
裏話を書いて欲しいという希望はよくいただくんですが、読者の要望にこたえることで、漫画を読む楽しみをスポイルさせてしまうのは本末転倒だしなぁ。
中途半端な情報は漫画の読み方の自由さを奪いそうで、躊躇してしまうんです。

例えば。以前にも書いたことがあるのですが。
私はルーテシア・ルノースポール2.0(フェイズ1)って車に乗っています。フランスのルノーってメーカーの車です。すごそうですか?ヴィッツやマーチくらいの小さい車です。かっこいいですよ?でも人には「かわいい」とか「これヴィッツ?」と言われます。

で、「よつばと!」ではジャンボも同じルノーのカングーって車に乗っています。
すると私がルノーに乗っているって情報を知っていると、受け取り方が「あずまはルノーが好きなんだなぁ」ってところに束縛されてしまう可能性があるわけです。
実のところ、私がルノーに乗ってるってのとはあまり関係なくて、まぁ好感をもってるメーカーだって点では影響はあるんですが、ジャンボならどんな車を買うだろう、と考えた結果出てきたのがあの車だったわけです。
ジャンボの趣味や値段、それから恐らくジャンボにとっては重要な「天井の高さ」などの要素を入れて考えました。そして、カングーはフランスの花屋さんがよく使用する車なんですよ。

まぁこの車の事は些細なことなんでいいんですが、そんな感じで制作の舞台裏はあんまり見せない方がいいかなぁって思っちゃうわけです。

しかし一方で映画のメイキングとか、作者のインタビューを読むのは私も好きなわけです。
そこで、たまにはさじ加減を考えつつ、お話してみようかと思いました。ページの更新のネタもあんまりありませんし。

全然関係ありませんが。今も「よつばと♪」を聴きつつコレ書いているわけですが。
第5楽章「カレーをたべる(とてもおいしく)」のトイピアノのはずれかたが妙にかわいいですな。よつばの楽しそうな感じが浮かびます。

そんなわけで「よつばと!」3巻の話。

ただ今「よつばと!」4巻の制作作業中です。ですから私には4巻の話がタイムリーなんですが、ほとんどの人がまだ読んでないわけで、ちょっと戻って3巻の話をしましょう。
話しているうちに4巻の作業に生きる何かが見つかるかも、という私的な狙いもあったりするのですが、えー3巻。まずは表紙から。

よつばがどこかの路地裏を駆けていきます。むこうに何かを見つけたのか、何か追いかけているのか。その後ろから恵那とみうらが追いかけてきます。
最初にまず里見が「よつばは笑顔以外でいこう」と案を出しました。1,2巻の表紙が笑顔だったので、よつばの豊かな表情を見せる意味で、3巻では表紙、裏表紙、背表紙、全て笑顔以外です。

舞台は路地裏です。まぁよくある素材です。絵になりやすいので助かります。
よつばにはもっと田舎っぽい風景、たんぼとか木とかひまわりとか、そういった自然いっぱいの舞台が合うんですが、今のところ意識して人工物を絵に入れています。1巻の工事現場なんかはその象徴的な例なわけですが。その合間から見える青空が綺麗ならいいかなと。

絵的には思い切って影を使ってみようと考えました。でも暗い雰囲気にはならないように。
塗りはあまり立体感を追いすぎないよう気をつけました。かといってポップなイラスト調でもなく、んー、この辺は説明しづらいな。
デッサンをやった人は、物を面で立体としてとらえるように教わったと思います。物には輪郭線などないですから。しかし漫画はやっぱり線で出来てるわけです。その辺の方向性が本編の漫画と表紙のイラストで同じになるよう、線を意識した絵作りを心がけました。

うーん、だんだん小難しい話になってきたので戻す。戻れ。
えー、この表紙の路地裏ですが、描くに当たってはやはり近所の路地裏を見て回りました。路地裏だけでなく、人の家の裏口とか塀の裏とかも見て回りました。カメラ片手に。かなり怪しい状態です。気がつくと2階の窓から私をじっと見ている奥さんがいたりして怖かったです。
よつばの隣、エアコンの室外機の上に壊れた扇風機が置いてあるのは、実際見かけた風景で、面白い収穫でした。

さて、次は本の中身ですが、その話はまた後日。書く気分が続けば書きます。


Posted at 2005年06月22日 20:05